当社は、兵庫県は北部・但馬地方、日本海山陰海岸に程近い豊岡市にあります。
豊岡市は特別天然記念物「コウノトリ」の生息地として知られております。
「コウノトリ」は巣作りに欠かせない木の伐採や農薬の散布などの生活環境の悪化で、1956年には20羽までに減少しました。
そのため、同年に国の特別天然記念物に指定され、その後、1962年に「特別天然記念物コウノトリ管理団体」の指定を受けた兵庫県により「コウノトリ飼育場」で人工飼育が開始され、同年には兵庫県の県鳥に指定されました。 しかし、個体数は減り続け、最後の一羽が1986年に死亡しました。
その後、中国や当時のソ連から譲り受けて人工飼育を続けていた結果、1989年5月16日に人工繁殖に成功しました。これ以後、毎年の繁殖に成功しています。
兵庫県では繁殖成功後の1992年は野生復帰計画が開始され、コウノトリ飼育場では、近親交配を避けるため、何度か動物園やロシアからコウノトリをもらい受け、2002年5月5日には生育したものとあわせて飼育100羽を達成した。
そして、2005年9月24日には世界初の放鳥が行われ、34年ぶりに5羽のコウノトリが大空に羽ばたき、2006年5月18日には43年ぶりに2羽のコウノトリが孵化しました。
現在では豊岡市のコウノトリの郷公園周辺にコウノトリのための環境が整備されつつあり、近隣の農家も農薬の散布を控え、合鴨農法など無農薬栽培への取り組みがされ、自然の田んぼで健康な餌が取れるよう官民あげて推進されています。

兵庫県立コウノトリの郷公園 NPOコウノトリ湿地ネット

豊岡の鞄の歴史は、古くより、柳行李の生産地として栄えましたが、その後、塩化ビニール素材の開発により、オープンケース(スーツケース)の生産が始まり昭和35年より45年までは、アメリカ向け輸出が急激に伸びました。
昭和45年後半から内外で需要停滞が顕著になり、特に昭和46年8月以降、ニクソン声明によるアメリカの経済政策の転換、急激な円高、さらにはオイルショックの影響で、輸出は激減しました。このため鞄業界も先行き不安が広がり、原材料を塩化ビニールからジーンズ・キャンバスなど布はく類へ、また、販売先を国内需要切り替えることにより、輸出急減の危機を脱しました。
現在では、鞄の生産地として多種多様の鞄・袋物・ケース類の全国生産の50%以上を出荷しています。